架空とは、架空であり、それ以上でありそれ以下である。

机の上の大切なものがなくなって一生懸命に探す。タンスをひっくり返しズボンのポケットを裏返す、本棚を開け、本のページを一枚づづめくる。隣の部屋の弟に聞き、姉に聞き、爺やに聞き、父母に聞く。あきらめたいがあきらめられずにいると、ふと机の上に探していたものがもとからそこにあったかのようにある。これはどういうことか。人は過ぎた過去を思い、今を考え、これからも続くであろう未来を想う。

 

 過去は近くでじっと佇んでおり、現在は光のように走り去り、そして未来は遠くからゆっくりと歩いてくる。時間は不滅であり、記憶は断片的である。

 

 人を構成しているのは物質であり、分子であり、原子であり、陽子、電子、中性子の組み合わせである。電子は高速で移動するとき波となり、光となる。光は無差別に降り注ぎ、命を与え、命を奪っていく。

 

 森羅万象のあらわれは、すべて条件と原因があり、それ単体では成立しない。

 

 x軸には無限の点が存在しx-y平面には無限の点と特定の点を集めた線が存在し、無数に交わり、永遠に平行である。今という線はどこにありどのような形をしているのかはわかっているかもしれないしわからないかもしれない。そして平行な線、交わる線がどこにあるのかもわからない。しかし、その線の一部をわれわれ人間は妄想、幻想、空想、夢想、想像、願望、希望として見ることができる。

 

架空とはそういうこと。。。。。。